特定技能・建設分野
特定技能ビザで働くことができる14業種の1つに建設分野があります。我が国では、少子高齢化により高齢の熟練技能者の大量引退が始まりつつある中で、若手の建設技能者の雇用確保が難しくなっており、また、大規模災害からの復旧・復興工事や国土強靭化対策など、様々な地域で行わるプロジェクトにおいて今後も建設業従事者の労働力確保が課題となっております。
建設分野では、いままで技能実習制度により多くの外国人が実習をおこなってきた実績もありますが、建設現場において就労を目的とした在留資格はいままでありませんでした(一部の特定活動や技術者を除く)。こうした状況の中、建設分野における職務に関する技能を有する即戦力の外国人を受け入れることが必要不可欠であることから、特定技能1号・2号により建設分野において外国人労働者を受け入れることになりました。
以下に、特定技能1号・2号の建設分野における要件や該当する職務内容等を説明していきます。
なお、特定技能制度の全体的な内容、特定技能1号・2号の要件や違いについては、「特定技能1号・2号とは?」のページをご参照ください。
「特定技能・建設分野」要件
特定技能1号・2号、建設分野において要求される要件には、「技能水準」と「日本語能力」があります。
特定技能1号の技能水準としては「建設分野特定技能1号評価試験」または「技能検定3級」に合格する必要があります(試験は型枠施工、左官、コンクリート圧送など、各業務区分ごとに分かれています)。
特定技能2号の技能水準としては「建設分野特定技能2号評価試験」または「技能検定1級」に合格する必要があり、加えて「建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験」を有することが要件になっています。
日本語能力に関しては特定技能1号において「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」の合格が必要です(特定技能2号では不要)。
なお、建設分野の各業務区分に応じた技能実習2号を良好に修了している方については、特定技能1号に関しての技能水準・日本語能力の試験は免除されております。
技能水準
✤特定技能1号・建設分野に求められる技能水準は以下です。
(1)建設分野特定技能1号評価試験または技能検定3級の合格。特定技能1号評価試験については建設技能人材機構ホームページでご確認ください。
◆なお、建設分野の各業務区分に応じた技能実習2号を良好に修了している者は、上記の要件は免除されます。
✤特定技能2号・建設分野に求められる技能水準は以下です。
(1)建設分野特定技能2号評価試験または技能検定1級の合格。
(2)(1)に加え、建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験。
日本語能力
✤特定技能1号・建設分野に求められる日本語能力は以下です。
(1)国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験(N4以上)。
◆なお、技能実習2号を良好に修了している者は、上記の試験は免除されます。
◆特定技能2号では、日本語能力に関する試験の合格は求められていません。
「特定技能・建設分野」職務内容
特定技能1号・建設分野において行うことができる職務内容(業務区分)は、型枠施工、左官、コンクリート圧送、トンネル推進工、建設機械施工、土工、屋根ふき(かわらぶき)、電気通信、鉄筋施工、鉄筋継手、内装仕上げ(表装)、とび、建築大工、配管、建築板金、保湿保冷、吹付ウレタン断熱、海洋土木工です。各自が技能評価で受けた業務区分に対応した職務を行います。
なお、技能実習における職種・作業と、特定技能における業務区分は完全に一致しているわけではなく、技能実習にしかないものや、特定技能にしかないものもあります。
併せて、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えないとされています。
職務内容
✤特定技能1号・2号における職種。
(1)型枠施工、左官、コンクリート圧送、トンネル推進工、建設機械施工、土工、屋根ふき(かわらぶき)、電気通信、鉄筋施工、鉄筋継手、内装仕上げ(表装)、とび、建築大工、配管、建築板金、保湿保冷、吹付ウレタン断熱、海洋土木工。
(2)上記に加え、日本人が通常従事するような関連業務を付随的に行うこと。
✤技能実習と特定技能における職種の違い(作業名は省略)。
(1)技能実習と特定技能に共通する職種
型枠施工、左官、コンクリート圧送、建設機械施工、屋根ふき(かわらぶき)、鉄筋施工、内装仕上げ(表装)、とび、建築大工、配管、建築板金、保湿保冷。
(2)技能実習にしかない職種
さく井、冷凍空気調和機器施工、建具制作、石材施工、タイル張り、サッシ施工、防水施工、ウェルポイント施工、築炉、鉄工、塗装、溶接。
(3)特定技能にしかない職種
トンネル推進工、土工、電気通信、鉄筋継手、吹付ウレタン断熱、海洋土木工。
受入れ機関・人数等
建設分野において特定技能1号の外国人を受け入れる場合には、受入れ機関は、以下の要件のすべてに該当している必要があります。
(1)1号特定技能外国人の受入れに関する計画について、国土交通大臣の認定を受けていること(建設特定技能受入計画の認定)。
(2)認定を受けた建設特定技能受入計画を適正に実施し、国土交通大臣または適正就労監理機関により、その確認をうけること。
(3)国土交通大臣が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと。
建設特定技能受入計画とは
✤1号特定技能外国人を受け入れようとする機関は、建設特定技能受入計画の認定を国土交通大臣に申請する必要がありますが、認定を受けるためには、その建設特定技能受入計画が次のすべてに適合するものである必要があります。なお、受入計画の認定前に在留申請を行うことができますが、在留申請の許可・交付を受けるためには受入計画が認定され、その認定証の写しの提出が必要となります。
一 次のイロハニホのいずれも満たしていること。
(イ)建設業法・第3条の許可を受けていること(建設業許可)。
(ロ)建設キャリアアップシステムに登録していること。
(ハ)特定技能外国人受入事業実施法人である建設技能人材機構(JAC)又は当該法人を構成する建設業者団体に所属し、その行動規範を遵守すること。建設技能人材機構(JAC)の正会員である建設業者団体の会員となるか、建設技能人材機構(JAC)の賛助会員となること。
(二)建設特定技能受入計画の申請日前5年以内、またはその申請日以後に建設業法に基づく監督処分を受けていないこと。
(ホ)職員の適切な処遇、適切な労働条件を提示した労働者の募集、その他の国内人材確保の取組みを行っていること。
二 1号特定技能外国人に対し、同等の技能を有する日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を安定的に支払い、技能習熟に応じて昇給を行うとともに、その旨を特定技能雇用契約に明記していること。
三 1号特定技能外国人に対し、特定技能雇用契約を締結するまでの間に、当該契約に係る重要事項について、様式第2により当該外国人が十分に理解することができる言語で説明していること。
四 1号特定技能外国人の受入れを開始し、もしくは終了したとき、又は1号特定技能外国人が特定技能雇用契約に基づく活動を継続することが困難となったときは、国土交通大臣に報告を行うこと。
五 1号特定技能外国人を建設キャリアアップシステムに登録すること。
六 1号特定技能外国人が従事する建設工事において、申請者が下請負人である場合には、発注者から直接当該工事を請け負った建設業者の指導に従うこと。
七 1号特定技能外国人の総数と外国人建設就労者の総数の合計が、常勤の職員の総数を超えないこと(常勤の職員には1号特定技能外国人、技能実習生、外国人建設就労者を含まない)。
八 1号特定技能外国人に対し、受け入れた後において、国土交通大臣が指定する講習又は研修を受講させること。
受け入れ人数については、建設特定技能受入計画の認定を受ける条件ともなっていますが、1号特定技能外国人の総数と外国人建設就労者の総数の合計が、常勤の職員の総数を超えないこと(常勤の職員には1号特定技能外国人、技能実習生、外国人建設就労者を含まない)となっています。
また、建設分野における外国人材すべての受入れ人数としては、向こう5年間で最大40,000人を見込んでいます。これを向こう5年間の受入れの上限として運用する方針です。
なお、特定技能1号の外国人を建設分野に従事させるため、派遣し、派遣された者を受け入れることはできません(派遣は不可。直接雇用のみ)。
☀当事務所は特定技能に対応しております✤
行政書士浅岡正道事務所では、登録支援機関・人材紹介会社である4.ARROWS株式会社との協力により、特定技能に関するビザ申請のご相談から、特定技能外国人のご紹介、登録支援機関サポートに関するご相談にも対応しております。
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